« 2009年10月 | トップページ | 2011年5月 »

2011年4月

2011年4月 6日 (水)

『範淨文雄説教集』発売

『範淨文雄説教集』CD発売 

昭和の大名人とよばれた範淨文雄師の説教集が発売されました。範淨文雄師は大正2年能登半島の真宗大谷派の寺に生まれ、長じて説教者を志し、節談説教の名人としてその名をとどろかせました。

  師の説教を是非とも聞きたいと、いつも立錐の余地がないほど聴衆が集まったため、その重みで本堂の床板が踏み抜かれることがあったため、「御堂壊しの御坊様」とよばれたほどでした。

  日本の放浪芸に着目した俳優の小沢昭一氏が企画編集したレコード『またまた日本の放浪芸「節談説教」』には、「範淨先生のお説教を聞いてきたから、もう死ぬのは怖くない」と断言している老婆の声が入っています。

  範淨文雄師は昭和40年54歳の若さで亡くなりましたが、その門下に現在の節談説教界の最高峰・廣陵兼純師を出すほど、レベルの高いものでした。

  師の説教は、過去に残されていた音源から、3本のカセットテープが発売されましたが、それ以外の音源はすでに消失したものと思われていました。昨年夏偶然にも師ゆかりの二ヵ寺からオープンリールに入った音源が発見され、これを復活再編集して、今回の発売となりました。

範淨文雄説教集

CD6枚組 全収録時間  約6時間

価格  15,000円+税

発売元 (株)国書刊行会  TEL03(5970)7421   

問い合わせ先  節談説教研究会  TEL042(666)6038

録音内容

第一巻  約78分

第一席  凡夫そのまま来いよ

香樹院講師の「真宗の御教えは『凡夫そのまま来いよ』の御教えである」との説法を、頭で解ろうとする同行たち。しかしただ一人の同行は・・・・。

第二席  浄土真宗にも木魚あり

「真宗には木魚がないから念仏行が疎かになるんじゃ」と言う浄土宗の和尚に、「いやいや真宗にも木魚はあるぞ」と賢蔵講師が示したのは・・・。

第三席  たとひ罪業は深重なりとも

末代無智の御文の解釈を尋ねられても、何一つ答えられぬ鬼鉄。でもたった一つ「たとひ罪業は深重なりとも」のお言葉だけは有難く頂くことが出来た。

第二巻  約54分

第一席  五劫の思惟は法蔵の片思い

衆生の方から望んだのではない、生死の海に浮き沈む衆生を助けてやりたいと自ら願われた法蔵菩薩の有り難さ。

第二席  敬って一切の往生人等にまうさく

衆生に向かって「敬ってまうさく」とまでへりくだり、浄土往生を勧めてくださる弥陀大悲のかたじけなさ。

第三巻  約44分

第一席  願成坊の疑い

仏智不思議を疑うと地獄に堕ちると聞かされた願成坊、胸の内にある疑いを取り除くことが出来ず、ついに死を決意するが、それを見抜かれた親鸞聖人は・・・。

第二席  勝手に墜ちるなら堕としてしまえ

死を前にして「地獄へ堕ちる、地獄へ堕ちる」と苦しむ老婆。それを見かねた娘ははるばる京都の香樹院講師に救いを求める。すると「勝手に墜ちるなら・・・」

第四巻  約67分

第一席  月影の至らぬ里はなけれども

弥陀大悲の光明は、十方衆生を遍く照らし給うが、我々衆生の方が雑行雑修自力の雨戸を閉ざし、機なげき布団を被っていては、本願の月は拝まれぬ。

第二席  南無の座  阿弥陀の座

弥陀の大悲を喜ぶ南無の座に座らせてもらうなら、眼前には阿弥陀の座が待っている。急ぐことはない今この身が正定聚不退の位なり。

第五巻  約58分

第一席  韋堤希の目覚め

息子阿闍世太子に夫頻婆娑羅王を七重の牢獄に閉じこめられ、それを助けんとしたため自らも牢獄に入れられた韋堤希が、釈尊によって浄土往生に目覚める。

第二席  その後の阿闍世

父王頻婆娑羅を死に至らしめた阿闍世は、罪の意識にさいなまれ身体までも腫瘍に冒されるが、耆婆大臣の勧めで釈尊を訪ね、その説諭によって苦しみから救われる。

第六巻 約58分

第一席 合掌の世界は広し喜ばし 花鳥風月説法の声

父親の財布から金を盗んだ少年が、そのことを自分の罪と考えて夜中密かに仏壇に手を合わせ、ひたすら懺悔する母の姿を見て思わず・・・。

第二席  まちかねて

「まちかねて恨むと告げよ皆人に  いつをいつとて急がざるらん」の歌を引いて弥陀大悲の有り難さを詠い上げる様式化された説教。

第三席 改悔批判

報恩講の初夜に行われる様式化された説教で、参詣の門徒衆に日頃の信心を顧みて雑行雑修に陥っていないか改悔させながら、より一層の信心を勧める。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年10月 | トップページ | 2011年5月 »